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背水の逆転劇

背水の逆転劇は、2004年、EVO 2004の準決勝において、ウメハラがストリートファイターIII 3rd STRIKEでジャスティン・ウォンに逆転勝利をおさめた場面のことである
試合中にウメハラは体力ゲージが残り1ドットのところまで追い込まれ最後はジャスティンの削りで終了と思われた中
ジャスティンが繰り出す必殺技「スーパーアーツ」の16連続打撃を全てブロッキング
直後に最大火力コンボを決めまさかの逆転を成し遂げた

2004
8月 01

EVO 2004

「ストリートファイターIII 3rd STRIKE」決勝ラウンド 8月1日にカリフォルニア州立工科大学ポモナ校で開催

8月 01

EVOは基本的には家庭用ゲーム機でプレーを行うが

ストリートファイターに関しては旧来のアーケード筐体でないと本領発揮されないと考えるプレイヤーが大多数(特に日本人プレイヤー)で 特別にアーケード筐体が準備されて行われた

8月 01

当時23歳のウメハラと18歳のジャスティン・ウォン

両者はすでに日米を代表するトッププレイヤー同士 しかしこの試合まで対戦経験がない

8月 01

会場の雰囲気は完全にジャスティン寄り

ウメハラの方がEVO会場であるアメリカの「侵略者」かつ「悪役」であり、会場中がウメハラの負けを望んでいた

8月 01

ウメハラ「ケン」ジャスティン「春麗」

トーナメントの準決勝(ルーザーズファイナル)で顔を合わせる

8月 01

最終局面で体力ゲージがが残り1ドットと言う状況に陥り

弱攻撃一発どころか「必殺技をガードした時点で削りダメージで負ける」と言う状況 ジャスティンは、スーパーアーツ鳳翼扇を放ち一気に削りで勝負を決めようとする 

8月 01

「レッツゴージャスティーン!」

技が放たれるとほぼ同時に、会場から「レッツゴージャスティーン!」と声援が飛んだ

8月 01

しかしこれを読んでいたウメハラ

鳳翼扇を16連続ブロッキングして防ぎ切り、さらにスーパーアーツである疾風迅雷脚を絡めたコンボを叩き込み劇的な逆転勝利を収めた

8月 01

「ブロッキング」はプレーヤーの体力を失うことなく攻撃を防ぐことができるが

攻撃が当たるとほぼ同時に、前方もしくは真下にレバーを動かす必要がある つまり相手の技がいつ始まるかを予測し、基本的に最初のブロッキングは相手の技が始まる前に先読みして入力していたことになる

当時はヘッドフォンをしてのプレーではなく画面から聞こえてくる音のみで勝負に臨む
ブロッキングが成功するたび
会場は、地鳴りのような歓声と、熱狂の足踏みが大きくなっていき、ゲームの音なんて何も聞こえない
ウメハラは体が覚えこんでいるリズムを淡々とこなして全てのブロッキングを成功させた

会場が沸き立つのとは裏腹に「まさか本当にやってくるとはね」程度の反応で、決勝にコマを進める
生涯ドヤることができるシーンを生み出したのにも関わらずこの塩対応である

2016
2016

その後

この「背水の逆転劇」は対戦型格闘ゲームを象徴する瞬間として語り草になり、格闘ゲームコミュニティ内外に影響を与えた そして対戦動画は史上最も視聴された対戦型ビデオゲームの映像としてギネスに認定された

背水の逆転劇がが生まれたことで、当時衰退しつつあった格闘ゲームコミュニティを「救う」ことになったと感じるプレイヤーも多い
ストリートファイターシリーズは人気もなくなっており 2004年のEVOでは、ストリートファイターIII 3rd STRIKEにエントリーするプレイヤー数は3番目だった
しかし、翌年のEVOでは他タイトルを抑え、ぶっちぎりの1位になり
背水の逆転劇の影響で、再び格闘ゲームに帰ってきたプレイヤー、他タイトルから移ってきたプレイヤーなど、多くのプレイヤーを格闘ゲームコミュニティに呼んでくるキッカケをつくっている

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